皮膚は防壁の役割を果たしている

そもそも皮膚(肌)とは何でしょうか?

実は皮膚とは心臓や肺などと同様、臓器のひとつ。成人で総面積が約1.6平方メートルにも及ぶ、人体最大の臓器です。

人体の一番外側を覆っていて、人体を形作るとともに、外敵(ほこり、細菌、ウイルス、アレルギー物質など)から人体を守る働きをしています。

人間の体は、50〜75%が水分でできています。いってみれば水をたっぷりと詰めた水風船のようなもので、針でつつかれたり、石を投げられたり、刺激が加わればたちまち弾けてなかの水が漏れ出てしまいます。

人間の体もこれと同じ。そのため、体内の水分を逃さないようにするには、外敵から身を守るバリア(防壁)が必要です。

外界との防壁の役割を果たしているのが、皮膚(肌)なのです。

ラップ1枚分の角質層が肌を守っている

皮膚の断面を横から見ると、外側から内側に向かって「表皮」「真皮」「皮下組織」の3層構造になっています(図表2)。

表皮はさらに「角質層」「顆粒層」「有棘層」「基底層」の4つの層で構成されています。

表皮の役割をひとことで言うと、「バリア機能」です。特に、最も外側の角質層は重要です。

角質層の厚さは約0.02ミリメートルで、およそラップ1枚分くらいしかありません。この薄い膜が人間の全身を覆い、乾燥や摩擦、紫外線、雑菌など、あらゆる刺激から肌を守っているのです。