仕事を共有するチームを作る

その後、フリーランスの仲間と「クロロス」というユニットを立ち上げました。

編プロに正社員として働いていたときの先輩である柴山幸夫と、同僚だった藤よし豊(※)、藤よしの知り合いだった斎藤充(のちにデザイナーに転向)、私の計4名のユニットです。

私たちのいう「ユニット」は法人組織ではありません。それぞれが自立し、自分でできる仕事はそれぞれがやるけれど、4人でできる仕事が入ったときは4人でやるという、運命共同体ではなく「仕事を共有するチーム」です。

※よしの漢字は土の下に口

オフィスで同僚グループ
写真=iStock.com/Edwin Tan
※写真はイメージです

ユニットの5つのメリット

ユニットのメリットは下記5つ。

1 仕事をシェアできる
2 上下関係の窮屈きゅうくつさがない
3 大きなプロジェクトを引き受けられる
4 短納期の仕事を引き受けられる
5 困ったときに助け合える
1 仕事をシェアできる
小川真理子『仕事がとぎれない ムリせず長く続けられる 女性フリーランスの働き方』(日本実業出版社)
小川真理子『仕事がとぎれない ムリせず長く続けられる 女性フリーランスの働き方』(日本実業出版社)

フリーランスで仕事をしていると、立て続けに依頼がくることもあれば、仕事が途切れることもあります。そんなとき、仲間がいると仕事をシェアできます。

たとえば、「今、スケジュール的に自分は対応できませんが、よろしければ、ほかのメンバーに聞いてみましょうか?」と提案できるのです。

依頼主にとっては、別の候補を探す手間を省けるので喜ばれました。クロロスのメンバーにとっても、新しい仕事に着手できることはメリットになります。

2 上下関係の窮屈さがない

クロロスは法人化していません。そのため、主従関係はありません。

4人全員で取り組むような仕事は、案件ごとにリーダーを決めて作業を進めるようにしていましたが、誰が上で誰が下といった組織特有の窮屈さはありませんでした。

4人でマンションの一室を借りて事務所にしていたときも、賃料等はワリカンでした。

3 大きなプロジェクトを引き受けられる

ページ数や取材件数の多い大型案件の制作依頼が入ることもありました。ひとりでは手に負えず受けづらいですが、仲間がいれば手分けして制作できます。

4 短納期の仕事を引き受けられる

タイトなスケジュールの案件も、数人で手分けすることで納品できます。

5 困ったときに助け合える

家族の病気等で身動きが取れないときなどに、お互いに支え合えるのもメリットです。

〈POINT〉法人ではない「ユニット」でいいとこどりをするのも一案
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