「英語への情熱」を育てるべき

わが家の場合、娘にとって英語学習のきっかけは演劇と海外ドラマでした。学習塾や習い事にほとんどお金をかけなかったわが家では、その代わり、ミュージカルやコンサートにはお金を惜しまず、家族で頻繁に出かけていました。理由はもちろん、私自身が歌や演劇が大好きだからです。

舞台やライブではその瞬間、その場所にのみある「気」が、五感すら超えたところから脳に刺激として入ってくるような気がします。この体験を超える脳育てのツールは、他にないのではないかと思うほどです。

むしろ、早期教育や英会話教室などではなく、娘は自分の中で英語への情熱をじっくり育てることができたからこそ、演劇やDVDが起爆剤となり、伸びるべくして伸びたのだと思います。

叱るポイントは最小限に抑えるべき

――本書では、「子どもが問題行動を起こしても、厳しく叱ったり悲しんだりする必要はない」というお話がありましたが、どのようにしつけをするのが理想的なのでしょうか。

もちろん叱るべきケースもありますが、叱るポイントは限られていると思います。具体的に言えば、「人の命を奪うこと」と「自分の命がなくなること」の2つくらいではないでしょうか。

机の上にうつ伏せに横たわり、両親に叱られる少年
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それ以外のことは叱らずに解決できることがほとんどです。たとえば、子ども自身が自分のしたことを安心して打ち明けられる環境を作っておけば、「次に同じようなことがあったときにはどうしたらいいかな」と未来の話をすることができます。

多くの親御さんは、お子さんが「部屋を片付けないこと」や「宿題をしないこと」などに対して業を煮やしているようです。しかし、不必要な場面で子どもを叱ると、子どもの反発心を増したり、自己肯定感を下げたりしかねません。脳科学の観点から言っても、叱ることは最小限に留め、親子でのんびり過ごしたり、楽しく話したりするほうが有益です。