「愛人として頭角を現した」疑惑

ルックスでトクをしているのも、小泉氏とハリス氏の共通点だ。

ハリス氏を民主党のスターの地位に引き上げたのはオバマ元大統領だが、2013年4月のイベントで、当時カリフォルニア州司法長官であったハリス氏の才気、献身、タフさ、公平さを賞賛した上で、「おまけにアメリカで一番ルックスのよい州司法長官だ」と持ち上げている。

ハリス氏について、「美しい外見のおかげで民主党の男性実力者に持ち上げてもらった」と疑う人もいる。

米政治サイトのポリティコによれば、彼女はサンフランシスコ市長であったウィリー・ブラウン氏の愛人として頭角を現し、州民主党の重鎮に気に入られて出世を重ねていったという。

ハリス氏のキャリアの原点である検察官としての能力を疑う人はいない。だが、政治家としては、さまざまな点でゲタを履かされていると見る向きも多い。2020年の大統領選挙で、バイデン大統領は「副大統領は黒人で女性」と公約したが、その条件を満たすのがハリス氏だった。つまり、実力よりもDEI(多様性・公平性・包括性)で副大統領になったと一部から見られていると、NBCニュースも伝えている。

「政治家として中身がない」批判

一介の議員ならともかく、一国のトップとなると、国全体の方向性を示す、政治家としてのビジョンを持っているべきだろう。

ただ小泉氏とハリス氏ともに、ビジョンがない、中身がないと批判されがちである。

米ニューヨーク・タイムズ紙の経済コラムニストであるデイビッド・レオンハルト記者は、7月9日付の論評で、「全国区の政治家としてのハリス氏には欠点がある。彼女は繰り返し、国家的ビジョンを示すことに四苦八苦しており、有権者に対して彼女がどのように国民生活を改善するのか説明できていない」と指摘している。

中身がないと批判されがち
写真=iStock.com/HappyNati
中身がないと批判されがち(※写真はイメージです)

一方、大統領選のライバルであるトランプ氏のビジョンは、明確かつ分かりやすい。

「米国を再び偉大にする(Make America Great Again)」、そして「アメリカファースト」だ。

小泉氏は何をやりたいのか?

トランプ氏と良好な関係にあったとされる故安倍晋三元首相も、かなりわかりやすいビジョンを語っていた。

一方、小泉進次郎氏のビジョンは不明確だ。

「日本の最大の課題は、少子化です。この問題がある中で、実現したい未来、実現したい社会を考えて、そこから逆算して何を変えるか。その順番で考えていく必要があると思います」という持論を語っている。着眼点はよいが、わかりやすいビジョンとは言えず、結局なにがやりたいのか不明確なままだ。