“話し逃げ”する品のない自民党議員

それから、特に自民党の政治家に、ひんのない人が増えました。公明党の選挙集会に、自民党の政治家が応援演説でやって来ます。ところが15分の演説を終えると、さっさと帰ってしまう。集会の最後までいない“話し逃げ”です。

集会が終わるまで会場に残り、応援を受けた公明党の政治家や公明党支持者たちと「がんばろう」と握手するのが常識でしょう。途中退席するのは常識を欠いた、品のない行為です。

佐藤優・山口二郎『自民党の変質』(祥伝社新書)
佐藤優・山口二郎『自民党の変質』(祥伝社新書)

公明党の集会場所に15分だけ顔を出し、あとは自分の選挙区を回るとしても、大した数の有権者と話し込めるわけではありません。それよりも、会場に来ている1500人の創価学会員を中心とする公明党支持者に丁寧に対応したほうが、はるかにメリットがある。そんな計算もできないのは、政治家が変質・劣化した証左です。

ちなみに、創価学会員の感覚では、聖教新聞を「取っています」と「読んでいます」は違います。創価学会についてどこまで勉強しているのかを相手に求めるのです。

創価学会の会合に他宗派の数珠を持って参列し、学会員の神経を逆なでした自民党の政治家がいました。その政治家は勉強不足で地雷を踏んだわけですが、他者の「内在的な論理」を理解しようとする姿勢に欠けています。

これは政治家として、有権者の気持ちになって考えることができないことと同列ですし、そのような人が外国人と国益をかけた交渉ができるとは思えません。

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