とにかく重要なのは「教える人がイライラしない」こと

勉強計画については、とにかく過去問題を解くことに集中しました。試験本番まで時間がなかったこともあり、その他の勉強は一切していません。10年分の過去問題を用意し、1日当たり1年分を本番と同じ制限時間で解き、終わったら私が採点して間違えたところを見直すということをひたすら繰り返しました。

わが家では私が勉強をみましたが、勉強を教える人は親でなくても誰でも構いません。注意したいのは教える人が不安になったり、イライラしたりしないこと。「こんな問題も解けないでどうするんだ!」などと怒ってしまっては、子どもが勉強に集中できません。

うちでは親子そろって「落ちたら落ちたで公立に行けばいいか」というような心もちだったので、過去問を解いている時も娘はたくさん間違えましたが「まだ、こういうことも知らなかったのか」と呆れはしたものの、特段イライラはしませんでした。親がイライラしてしまったり、仕事で時間が取れなかったりと、何らかの事情で教えられない場合は、学習塾に通わせることも選択肢に入るでしょう。しかしその場合も、睡眠時間の確保は絶対条件です。

「受験に集中させるために学校を休ませる」はNG

娘のスケジュールを見て、朝が早いことに驚かれたかもしれません。早朝から勉強していた理由は、朝の方が効率よく脳が働くということと、受験本番を意識していたからです。

成田奈緒子『子どもの隠れた力を引き出す最高の受験戦略 中学受験から医学部まで突破した科学的な脳育法』(朝日新書)
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合格するためには、本人の実力はもちろん、脳の処理速度も重要です。受験では、制限時間内にできるだけ多くの問題を正確に解くことが求められ、正答率が高い人から順に合格が決まります。つまり、脳の中に詰め込んだ知識をいかに素早く取り出し、アウトプットできるかが問われているわけです。

どれだけ知識をインプットしても、試験中に脳が上手く働かず、時間切れになってしまうようでは合格できません。ですから、試験が行われる時間帯に脳を万全な状態にもっていく必要があります。となると、夜中の2時や3時にいくら勉強がはかどったとしても、その時間に試験が行われなければ意味がありません。

多くの学校では試験は午前中からお昼にかけて行われますから、ちょうど学校で授業を受けている時間帯に、頭がすっきりと働く状態になっていることが理想です。子どもの中学受験を控えた親御さんの中には、6年生の1月になると、受験勉強に集中させるために学校を休ませる方が多くいます。

「受験が終わるまでは夜遅くまで勉強させ、その代わり朝は少しゆっくり寝かせてあげています」というような話を聞きますが、自ら進んで試験本番で脳が働かない生活リズムを選んでいるようなものです。

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