嘉子のすぐ下の弟・一郎も、しっかり者の長男だった

長男の一郎兄さんが、武藤の家では跡継ぎになるはずでした。一郎兄さんは姉の次にしっかりした人でした。長男なので、姉も一郎兄さんには一目置いていて、弟ながら頼りにしているという感じでした。

私は親父から小遣いをもらわないで、この兄貴から小遣いをもらっていたのです。でも兄は威厳がありました。たとえば靴を玄関で乱雑に脱いでいた時、親父もお袋も何も言わないけれど、兄貴は「おい、泰夫、何だこの靴の脱ぎ方は」とビシッと言うのです。「ちゃんとなおせ」って叱られましたね。

写真があります。姉が芳夫さんと結婚する前に撮影した写真です。きょうだいがそろっています。二人の間にいる小さいのが私です。