安倍晴明が道長に言った台詞の意味

一方、弟の隆家は、このところ伊周と対照的に描かれている。第29回では、「藤原の筆頭に立つ」と意気込む伊周に、「兄上の気持はわかるが、左大臣(註・道長)の権勢はもはや揺るがぬぞ」と諭した。

第30回でも同様だった。伊周は定子が忘れられない一条天皇(塩野瑛久)に、「そのように暗いお顔をなさらないでくださいませ。定子様が悲しみます。『枕草子』をお読みくださり、どうか華やかで楽しかった日々のことだけをお思いくださいませ」と伝える。定子を利用して天皇を操縦しようとしているようで、その場にいる隆家は、兄を怪訝な目を向けた。

さらには道長のもとを訪れ、「兄には困ったものでございます。帝のお気弱につけ込んで」と伝え、「私は過ぎたことは忘れるようにしております。出雲へ配流となったときの無念よりも、亡き姉への思いよりも、先のことが大事でございます。恐れながら、帝にも前をお向きいただきたいと存じます」と話した。