「データ標準の問題」の本質とは
災害対策もデータ整備も基本的には自治体の権限で行わなければならない行政分野が多く、感染症対策でもVRS(ワクチン接種記録システム)など国が開発しているのに自治体に使ってもらって連携という形で進めなければならない領域もたくさんありました。まだ若い人が地方にも多く元気なうちは自治体も無茶振りされても対応できたのでしょうが、こんにちの状況では人材も予算もなくどうしようもないというのが実情ではないでしょうか。
それゆえに、ガバメントクラウドに向けてのデータ標準の問題は、置き換えれば衰退する地方自治体をどのように再々編し、必要な技術や人員を計画的に主導し、国家が制度を改革して適切な形で着地させるのか、という広い視座がどうしても必要になります。河野太郎さんひとりの問題で終わらせるべきではなく、国の役割と決定を合理的に都道府県・自治体に示す作業こそ本来は必要なことです。衰退している地方社会においては「これこそ国がやってほしいこと」という分野がどんどん増えているのではないかと思います。
そして、自民党総裁になり首班指名され総理大臣になるからには、単に「AIでたくさん電気喰うから、原子力も推進するよ」という上っ面の政策論ではなく、まさにガバメントクラウドのような国と地方が一体となって取り組むべき政策にビジョンを持ってどう対峙するのかこそが肝要なのではないか、と感じるのですが。