高齢になっても元気な人と老け込む人は何が違うのか。高齢者医療に携わってきた精神科医の和田秀樹さんは「人間の体は使い続けることで、レベルを維持することができます。日常的に脳や体を使う、老けない習慣を身につけることが重要」という――。
※和田秀樹『老けない習慣ベスト100』(総合法令出版)の一部を再編集したものです。
男性ホルモンは元気の源! したいことをして脳も体も元気に‼️
何かに興味を持つということは、脳が若い証拠です。実際、それを実行することで、脳は活性化し、体も元気になります。
それはホルモン医学から見ても明らかです。歳をとると、体内の男性ホルモン量は自然に低下していきますが、多い人のほうが元気なことは、医学的にも証明されています。
男性ホルモンは、たんぱく質の多い食事や運動習慣によっても、ある程度保つことができます。たとえば肉には、男性ホルモンの材料になるコレステロールが含まれており、肉をしっかり食べる人のほうが元気を維持できます。
80歳にしてエベレスト登頂を成功させた三浦雄一郎さんは、まさに「元気」の代名詞のような方ですが、男性ホルモンの一種であるテストステロンを注入していることは有名な話です。
三浦さんは76歳のときにスキーで転倒し、大腿骨と骨盤を骨折する大ケガをします。入院生活で筋力も低下し、トレーニングの気力も削がれたそうですが、その状態から回復できたのは、男性ホルモンの注入やED治療薬「シアリス」を服用したことも大きかったと雑誌のインタビューで語っておられます。シアリスやバイアグラのようなPDE5阻害剤は、動脈硬化を和らげる作用があることもわかっています。
もちろん、トレーニング(運動)を継続していたことや、エベレスト登頂の目標を見失わなかったことも、三浦さんの元気の秘訣だったことは間違いありません。