古文・漢文の授業に今でも感謝している理由

日本文学でも与謝野晶子訳の『源氏物語』や、現代語訳された『平家物語』『源平盛衰記』『太平記』などの古典文学のほうを好んで読んでいました。吉川英治の『新・平家物語』、山岡荘八の『織田信長』なども気楽に読みました。

坂東眞理子『人は本に育てられる』(幻冬舎新書)
坂東眞理子『人は本に育てられる』(幻冬舎新書)

国語の時間は相変わらず中学生・高校生になっても好きではありませんでしたが、その中で古文や漢文は自分では読めなかった中国や日本の古典の原点に触れられて新鮮な感動がありました。

今でも「力山を抜き気は世をおおう」が有名な、項羽の垓下がいかの歌など史記の一節、李白や杜甫をはじめ、唐詩の読み下し文を愛読し暗記しているのはそのころの授業のおかげです。

漢文の読み下し文の引き締まった文語の語調は今でも大好きですが、史記や論語、唐詩の訓読などは中国の人には通じず、私たちより若い人にも通じず、おそらく今後なくなってしまう文学の分野なのだろうなと思うと少し寂しい気がします。のちに吉川幸次郎さんの『杜甫』『漢文の話』なども愛読しました。

子供のころのように手当たり次第に読む時期を過ぎ、このころになると自分なりの好みが少しずつ形作られていったように思います。

【関連記事】
「ベッドでスマホ」は絶対NG…眼圧を下げ、失明を避けるために知っておきたい「スマホ、PC、読書のコツ」
睡眠6時間では認知症診断率3割増…日光浴、朝食、コーヒー、就寝前読書ほか「ボケない眠り方10の鉄則」
個性ゼロの書店が「日本人の読書離れ」を加速させた…「レジ3時間待ち」の大行列を生んだ有隣堂社長が考えること
「街の書店」は本当に不要なのか…電車に乗る人がみんなスマホを見ている光景に私が思うこと
英語で「Pardon?」と言ってはいけない…おかしすぎる学校英語の正しい言いかえ9選