イスラエルは国際法に違反し続けている

(つづき)

「そもそもユダヤ人を迫害してきた欧米の過ちを、特にホロコーストという大罪を、私たちパレスチナ人が償わなければならないのはおかしい。

イスラエル建国は我々にとって大惨事でしかなかった。戦争後のイスラエル領土を超えた土地の占領はもはや数十年にわたり続いている。「占領は終わらせるべきだ」との国連決議(※7)も出され、多くの国が支持した。そんな占領が認められるわけがない。ましてや海外の移民を受け入れるための占領などあり得ない。

つまりユダヤ人たちは違法に占領した我々の土地にあまりにも長く居座り続けている。地球上のほとんどの国家がこの国連決議を支持しており、イスラエルは国際法に違反し続けているのだ。

それに、国際社会はこの土地にイスラエルだけでなくパレスチナ人の国家の建設も求めている。我々にも国家建設の権利がある」

※7:占領地からのイスラエル軍の撤退を求める1967年の国連安保理決議242を指します。

ユダヤ人

「あなたは『国連決議は多数派工作の結果だ』などと主張するが、あらゆる国連決議の裏でそうした政治的な動きがあるのは当然のことだ。確かに2つの国家での解決に我々も一度は同意した。しかしいつまで経ってもパレスチナ人は国家を建設できないではないか。つまり二国家解決など不可能なのだ。パレスチナの統治機構は腐敗していて、指導者はほぼ変わらないし、人々の支持も集められていない(※8)

※8:パレスチナ自治政府のトップ(アラファト議長、アッバス議長)が長期政権を築き、選挙も十分に実施されてこなかったことを指します。

有刺鉄線の後ろのイスラエルとパレスチナの旗
写真=iStock.com/Stadtratte
※写真はイメージです

パレスチナの腐敗がテロ組織「ハマス」を生んだ

(つづき)

「自分たちに統治能力がないせいで、テロ組織のハマスを台頭させる結果になった。ハマスは常に暴力しか頭にない。和平合意の後でもすぐにテロを引き起こす。

つまり、現実問題としてパレスチナはイスラエルにとっての脅威でしかないのだ。ハマスの自爆テロ、ロケット攻撃は何十年も続いてきた。大勢のイスラエル市民がテロ攻撃の犠牲になってきた。そうしたパレスチナ側の攻撃の正当性など、国際社会は全く認めていない。むしろ非難している。

特に2023年10月のハマスの攻撃は罪のない民間人がターゲットだった。ハマスは大勢のイスラエル市民を無慈悲に殺し、大勢を人質として誘拐した。これこそ国際法に違反する非道な行為だ。我々イスラエルの軍隊は民間人だけをターゲットにした軍事作戦を行ったことはない。

もはや対話など無意味なのだ。だから軍事力で徹底的に殲滅せんめつするしかない。我々はガザ地区に侵攻して、ハマスを根絶やしにするために戦うしかなかった。ハマスは完全に壊滅させる。作戦は大規模で広範囲になる。だから、多少のパレスチナ人の民間人に犠牲が出てもやむを得ない。結局は戦うしかない」