石丸が飽きられても、また同じような人間が出てくる

石丸人気があるとして、それは今後も続くのだろうか。おおいに続くであろう。それは石丸個人の人気という部分もあるが、それよりも「石丸水準の抽象的な話の内容で、やっと理解することができる有権者」が今後も増えていくと予想されるからだ。

このまま進むと、近い将来の国政選挙では、「衆議院とか参議院とか汚職とか難しいことはどうでもいいんです。ただ、居眠りしている議員は許せない。税金泥棒。恥を知れ恥を。私はそんな日本を変えたいんです」みたいな演説で、日本の街頭は埋め尽くされる気がする。そうして政治に残るのは、中身が何もない、具体的な政策が何もないパッション(情熱)だけになる。

だが、具体的な知識の土台の上に立たない情熱は、すぐさま冷却し、消費されるだろう。そしてまた別の人間が、フレーズを少しだけ変えて同じようなパッションを叫び続けるだろう。

曇天の国会議事堂
写真=iStock.com/kanzilyou
※写真はイメージです

そして具体的な知識が無いので何も政策を立案することもできず、また実行することもできないまま、日本はいよいよ三等国となって、永い黄昏の時代を、日本人は向こう数世代にわたって生き続けることになるだろう。

石丸現象は、日本人全体の知性の劣化と、幼稚化の結果であり、それは今後も拡大していくことは間違いない。

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