「マイペース」を長所にする方法

秀でた活躍ができる人は皆さん、マイペースです。

「人間は自分のペースでしか能力を発揮できないものだ」と前に述べましたが、いい意味でマイペースな人のほうが、いい仕事ができると私は思います。

マイペースをプラスにはたらかせるコツを考えてみましょう。

まず、マイペースな人は「早く、早く」と急かされることが苦手であるいっぽう、時間にある程度の裁量を与えられるとパフォーマンスが上がります。

自分がどんなやり方をすれば力を発揮できるか知っていますから、まさに“水を得た魚”です。

上司から「この報告書を3日後までにまとめて」と言われたら、思い切って「1週間時間をください」とお願いしてみたらいかがでしょうか。焦らずにマイペースで仕事をすれば、きっと素晴らしい報告書を仕上げられるはずです。

そんなことを繰り返していくうちに、皆にあなたのほんとうの仕事力を知ってもらえます。

また、マイペースの人は空気が読めずに皆の和を乱しやすいと思われがちですが、裏返せば、おおらかで楽観的であるというプラス面があります。

枡野俊明『迷ったら、ゆずってみるとうまくいく』(クロスメディア・パブリッシング)
枡野俊明『迷ったら、ゆずってみるとうまくいく』(クロスメディア・パブリッシング)

不測の事態が職場内に起こり、緊張が走ったときでも右往左往せず、その場の雰囲気に流されず、冷静に判断できます。肝心なときに頼りになる存在なのです。

自灯明じとうみょう法灯明ほうとうみょう」というお釈迦さまの言葉があります。自分自身を信じ、永遠不滅の仏の教えをよりどころとして生きなさい、という意味です。

つまり、「自らの意志によって生きなさい」とお釈迦さまは教えています。

それが幸せに生きる道です。

【関連記事】
【第1回】だから圧倒的パワーで数々の成功をおさめた…稲盛和夫が新たな仕事を生み出すときに何度も自問自答した言葉
なぜ松下幸之助と稲盛和夫は熱心に神社に通ったのか…一流の経営者に共通する「お祈りの中身」
「子どもがうるさくして、すみません」より効果的…躾への"お叱り"を穏便にすませる「魔法のひとこと」
価値観を押しつけて「怒り」をばらまいている…周囲と衝突を繰り返す人がよく使う「2文字の言葉」
「今から行くから待ってろコラ!」電話のあと本当に来社したモンスタークレーマーを撃退した意外なひと言【2023上半期BEST5】