「調子はどうですか?」と聞かれた時のベストアンサー
会話のとっかかりとしてお決まりの質問を向けられる側となったら、あわててヒューリスティックで反応しないように気をつけてください(「いかがお過ごしですか」と聞かれて、「まあまあです。そちらは?」と答える会話に醍醐味はありません)。
代わりに、次の質問を引き出すような意外性ある答えを返してみましょう。コツは、自分自身や、自分の関心事についての情報を若干盛り込むことにあります。
「調子はどうですか?」と聞かれたら、「最高です。ちょうど今朝、ジムで自己ベストを更新しました」などと答えてみてください。それについて相手が質問を重ねてきたら、答えてからすぐに相手のことを尋ね、サポートとなる合いの手を入れていきます。
会話を終わらせる時は、相手に感謝の気持ちを伝えると気まずい思いをせずに済みます。たいていの人は「すみません、飲み物を取りに行かないと」、あるいは「お手洗いに行くので失礼します」と、ただ自分の用事にかこつけて話を終わらせようとします。
グリーンウォルドは、その場を離れる理由を説明しつつ、会話を楽しんだサインとして最後にまた一つ質問し、相手への関心をあらためて表明するようアドバイスします。
会話の締めくくりで“相手への感謝”を伝える
例えば、次のような問いかけが考えられます。「そろそろビュッフェ会場に行こうと思いますが、お話できてとても楽しかったです。最後に、話題に出たマラケシュ旅行について一つ質問させてください。いつか行く機会があるかもしれないので、良いレストランを教えていただけませんか?」
グリーンウォルドはこれを「白旗アプローチ」と呼びます。自動車レースでラスト一周になると、係員が白旗を振って合図します。私たちも会話を終える時、同じようにできるはずです。話を聞いてもらいたいという相手の欲求を満たし、話を聞かせてくれたことに感謝すれば、スムーズに締めくくれます。
私の義母は「今まで知らなかったことを教えてくれてありがとう。とても勉強になったわ。もう行かなきゃいけないけど、最後に一つだけ質問させてちょうだい」というふうに、感じ良く伝えてくれたものです。
あなたが出席した仕事関係の集まりで、引っ越しの話題が出たとしましょう。「そこを引っ越し先に選んだ理由をもう少し聞かせてください」とあなたから質問し、相手が答えたら、こう締めくくれるのではないでしょうか。
「それは納得の理由ですね。私はそろそろ向こうにいる同僚のところに戻らなければなりません。参考になるお話をありがとうございました。お話できて楽しかったです」