年代が下がるほど文字数が少なくなる傾向…

コミュニケーションツールの変遷を見ていると、世代が上から下へ移行するにしたがって、使用される文字数が少なくなっていくことがわかります。

メール世代は、ビジネスメールを「拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」から書き始めていましたが、LINE世代は「お世話になります」「お疲れさまです」「こんにちは」というように、どんどんフランクになり、言葉が省略化されていきます。

これはビジネスシーンだけでなく、プライベートでも同じです。

一時期「おじさん構文」や「おばさん構文」が話題になりましたが、年代が上の人は何かと「!」や「絵文字」、「顔文字」、スタンプなどで文字数を埋め尽くしがちです。

しかし、今時、スタンプや顔文字などを多用するZ世代はいません。だからこそ、○○構文と揶揄やゆされてしまうのです。

隠語やスラングなど独自文化が発達

Z世代の間では、仲が良くなればなるほど、絵文字やスタンプなどは使いません。短い単語や文章のやりとりで進みます。これは、絵文字や顔文字を使わなくても、相手とのコミュニケーションを見誤ることがないからなのでしょう。

代わりに、同じ年代や少人数の決まったグループの中だけで通じる隠語、メタファー、記号などを多用しています。大学生であれば大学のゼミやサークルなど、同じ属性にしかわからない言語が発達しています。

「それな」「おk」「おけまる」「なるほほ(なるほど)」などの“Z世代言葉”がありますが、中高年世代が周囲の若者に影響されて「自分も使ってみようかな?」となると、「おじさん構文」「おばさん構文」を使うのと同じぐらい、若者から見て“イタいおじさん&おばさん”になってしまいます。

ですから、「自分のテリトリー外に出たら普通の会話をする」というのが、何はなくとも鉄則です。つまり、コミュニケーションにおいても、「味のないフランスパンを出しておけばハズレがない」というわけです。