大量の仕事をこなしていて、疲れ果ててしまう人とそうでない人がいる。なぜなのか。韓国のエッセイスト、イ・ダヘさんは「私は燃え尽き症候群に陥ったとき、『自分が弱すぎるからだ』と考えた。だがそうではなく、無力感に襲われる環境が原因だった」という――。

※本稿は、イ・ダヘ『仕事帰りの心 私が私らしく働き続けるために』(かんき出版)の一部を再編集したものです。

夜にオフィスで一人疲れている女性
写真=iStock.com/Jay Yuno
※写真はイメージです

どうしても仕事を始められなかった

これを読んでいるあなたが、燃え尽き症候群(以下、燃え尽き)をまだ経験していないのなら、「自分は違う」と思っているかもしれません。燃え尽きについての記事や本、動画を見て、適当なラインを設定しておいてがんばることは可能だと思い込んでいるのでしょう。私もそうでした。

一日に17時間座って仕事ができたとき、あんなに集中して短期間に成果を出せたことを確かめられたとき、その後、思う存分眠って休息をとれば、疲れもとれたと「実感」できたとき、自分はやれるところまでやってみようと思ってがんばっていました。

私が思うに、問題は単純だったのです。

「できるのになんでやらないの?」

仕事を先延ばしにするようになってから、本格的に発生するようになりました。仕事を先延ばしにするのが問題というより、どうしても仕事を始められなかったのです。

先延ばしにしているつもりでいたのですが、実は、単なる不能状態でした。ここでは、私の経験から、燃え尽き予防の方法ではなく、燃え尽き初期段階に、それ以上悪化させないためのセルフケアの仕方についてお話しします。