弟が石を投げ、裁判所に40人集まった大家族は暴徒化
家族とともに裁判所の前に来ていたモハメッドの弟イブラヒムはこの時、裁判所の前で警察官に向けて巨大な石を投げました。スカーフを被った大家族のある女性は別の警察官の顔に唾を吐きました。救急車を待っている間、現場にいた刑務官が応急手当をしようと倒れているモハメッドの顔に自らの顔を近づけたところ、大家族のある男性が刑務官の首根っこをつかみ「モハメッドに近づくな。お前が一言でもしゃべれば、ぶっ殺してやる」と言い、続けて「売女の息子野郎」と暴言を吐きました。
モハメッドが裁判所に到着したころには約10人だった大家族のメンバーがいつの間に40人ほどに増えていました。そんな中で救急車が到着。すると今度は大家族の暴力が救急隊に向かいました。救急隊が現場でモハメッドの救助に当たっている間、大家族の数人が救急隊員をめがけ土塊や石を投げつけました。ちなみに石は裁判所の前の石敷きから大家族が勝手に外したものです。
暴動のなか、大家族は大声で「モハメッドが死んだら許さない。(モハメッドの保釈を許さなかった)女性裁判官に死を! ドイツの警察官に死を!」という物騒な内容のことを大勢で叫び続けます。大家族のある女性はこの日、ハーメルンの地元の新聞社に携帯で電話をし「今すぐお宅の社員がこっちに来て取材をしないと、編集部の入っている建物をぶっ壊す!」と叫んだため、地元紙はこれを「テロ予告」と解釈し警察に通報しています。
ハーメルンの病院の前でクルド人の家族が大乱闘
窓から逃亡を図ろうとして転落したモハメッドが救急車でハーメルンの病院に運ばれました。それに合わせて裁判所の前に集まっていた約40人の大家族は病院の前に移動します。しかし大家族のアグレッシブな言動は病院の前に到着した後も続き、さらに10人ほどの大家族のメンバーが新たに現場に加わり、合計約50人となったこともあり、病院側は「大家族が勝手に病院の中に入り暴動を起こすのではないか」と懸念し、大家族に病院内に入ることを禁じます。
この時、大家族とは無関係の高齢の女性が病院から担架で救急車に運ばれました。すると、病院前でそれを目撃した前述のモハメッドとイブラヒム兄弟の母親であるカドラが「ドイツの売女。死んでしまえばよいのに。あんな女、燃やしてしまえ!」と叫び、その場にいた警察官がこの発言についてメモを取ると、カドラはその警察官にも「お前もあわせて殺してやる」と暴言を吐きました。