強盗事件が報じられたら身辺に気をつける

日本でもタレントの自殺報道がなされると、そのあと自殺者は増えます。模倣自殺や、後追い自殺と呼ばれています。

そのためでしょうか、厚生労働大臣指定法人の「いのち支える自殺対策推進センター」では、有名人の自殺報道に対して注意喚起を行っています。

有名なタレントが自殺をすると、マスコミはこぞって報道します。タレントの自殺報道は、一般大衆の関心も高いからです。けれども、マスコミが大きく報道すればするほど、模倣自殺が増えることを考えると、できるだけ小さな扱いにするほうが、本当は望ましいのです。自殺報道さえなければ、そのあとの自殺者を思いとどまらせることができるでしょうから。

報道するにしても、テレビの視聴者や新聞の読者に向けて、悩みや相談を受けつけてくれる窓口なども合わせて報道してもらわなければ困ります。

模倣されるのは自殺だけではありません。

マスコミの影響力はとても強いので、強盗事件が報道されたあとには、模倣の強盗事件も増えるのです。ですので、強盗事件がニュースで流れたら、しばらくの間は強盗に巻き込まれないように、行動に気をつけなければなりません。

ヒビの入ったガラス
写真=iStock.com/Peter Carruthers
※写真はイメージです

飛行機のハイジャック事件が報道されたら、やはりウェルテル効果で模倣のハイジャック事件が増えるでしょうから、飛行機に乗るときにも気をつける必要があります。

マスコミの報道を見るときには、そのあとには模倣犯罪や事件も増えることを予測しましょう。おかしな事件に巻き込まれるのは怖いですからね。

身を挺して暴漢に立ち向かった人たちは平均身長が高い

ニュースなどの報道を見ていると、最近は、強盗や殺人など凶悪犯罪が増えたと感じます。

読者のみなさんも、いつ何時、暴漢に襲われるか、わかったものではありません。

ただし、刃物を振り回す暴漢に運悪く出くわしたとして、身がすくんで何もできなかったとしても、それはみなさんのせいではありません。

立ち向かえる人は「勇気がある」から立ち向かえるのではなく、暴漢をやっつける自信があるから立ち向かっているだけ。自信がない人は、立ち向かえなくともそれは当たり前なのです。

ペンシルバニア州立大学のテッド・ハストンは、銀行強盗や人質事件などの凶悪犯罪で、犯人に勇敢に立ち向かい、後に表彰を受けた人32名と、年齢や学歴などが近い人155名を比較してみました。

その結果、表彰を受けた人の平均身長は71.2インチ(約180.8センチ)なのに、比較のためのグループの平均身長は69.6インチ(約176.7センチ)であることがわかりました。体重はというと、勇敢な人のグループ平均が176ポンド(79.8キロ)で、比較グループは平均161ポンド(73.0キロ)でした。