「自分ならできる」と思えるだけの理由があった

勇敢な人は、そもそも体格がものすごくよいのです。背が高くて、がっしりしている人が暴漢に立ち向かうのです。

内藤誼人『すぐに実践したくなる すごく使える社会心理学テクニック』(日本実業出版社)
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ハストンは勇敢な人に、「どうして立ち向かえたのでしょうか?」と尋ねてみたのですが、人道的な理由をあげる人は少なく、「自分ならできると思った」という回答が多く見られました。

さらに暴漢に立ち向かえる人は、護身術を習った経験もありました。勇敢な人の平均53.1%が護身術を学んだ経験がありました。比較のためのグループで護身術を習ったことのある人は31.3%です。

結局のところ、勇敢な人は、暴漢をやっつけることができると思っていたから立ち向かっただけなのです。

貧弱な体型で、格闘技も何も習ったことのない人が勇気を振り絞って立ち向かったのかというと、そういうわけではないのです。

もし暴漢に出くわし、自分が何もできなかったとしても、それはしかたがありません。「根性なし」でも、「腰抜け」でもなんでもありませんので、自分を責める必要もありません。刃物を振り回す人がいたら、身体が震えて動かなくなるのは当たり前です。

おかしな勇気を出して返り討ちにあったりしないよう、自分の体格と自信と相談しながら、「うかつに飛びかかったりするよりは、静かにしておいたほうが無難だな」と判断したほうがよろしいでしょう。

また、女性は男性に比べて被害に遭いやすいということもありますので、空手や合気道などの護身術を習っておくのもよいかと思います。

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