人間は心のマネジメントがいまだに苦手なまま
人間関係は、この「指示」と「支援」のバランスで成り立っている。「指示」過多で「支援」がなくなればハラスメント傾向になる。「指示」がなく、ただ「支援」しかないとカウンセラーだ。他者を「機嫌がいい」状態に導く一番の鉄則は、自らが「機嫌がいい」という状態でいることだ。それが絶対的な社会的責任だということ。自分の機嫌を自分でとり、「機嫌がいい」を大事にしている人は、それだけでまわりをごきげんな空気にしている。
人間の仕組みをよくわかっているのなら、「機嫌がいい」は甘やかしの構造ではなく、人間社会の鉄則ともいえる重要なことだと理解できるはずだ。すべての人間関係は、この「指示」と「支援」のバランスの上に成り立っているのだ。ここにも、自分のみならず「機嫌」という心の状態への視点がなくてはならないことがわかる。
わたしたち人間は、認知的な脳が極めて発達したために、行動の内容に関しては高いレベルで関心があるが、自他ともに、人間の内側にある心の状態に対して、そのマネジメントが苦手だといわざるをえない。
しかし、それでは携帯電話でいえば、アンテナを無視して、電話をかけようとしていたり、SNSをやろうとしたりしてうまくいかないことと同じで、仕組みを無視した不十分な「生きる」をやっているにすぎないのだ。しっかりと人間の仕組みを理解して、「生きる」に責任を持って生き、そして自分と仲間で仕事もしていこう。