健康を維持するためにはどうすればいいか。産業医の辻秀一さんは「機嫌良くいることは、健康のためにも重要だ。ストレスを感じて機嫌が悪い状態が続くと、自律神経が活発化しすぎて身体にダメージを与える。」という――。

※本稿は、辻秀一『「機嫌がいい」というのは最強のビジネススキル』(日本実業出版社)の一部を再編集したものです。

部下から報告を受けて額をおさえる中年ビジネスマン
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“disease”=心が穏やかでないこと

「病は気から」という言葉をご存じだろうか? さまざまな病気は、人間の気、すなわち気持ちや気分からきているのだという長年にわたる経験から明らかにされている事実がある。

英語では病気のことを「disease」というが、この言葉は「dis」と「ease」の組み合わせ。つまりは、「ease」ではないと病気だという意味だ。「ease」とは、おだやかな心の状態のことで、すなわち「機嫌がいい」こと。海外でも、人類はこの仕組みを経験にもとづき知っていて、言葉にまでしているということになる。

みなさんは「機嫌がいい」状態ではなく、心に揺らぎや囚われのストレスがあり機嫌が悪いとどうなるだろうか? ストレスを感じるとドキドキして動悸がしたり、冷や汗が出たり、呼吸が浅くなって息苦しくなったり、夜眠れなかったり、肩が凝ったり、胃腸の調子が悪くなったり、血圧が上がったりした経験はないだろうか?