第一印象「疲れきった暗い人が多い」
東京藝大は従来の偏差値教育を「越境」した大学だと述べました。
東京藝大はどんな場所だったのか、入学当時の印象を振り返ってもらうと、第一印象は、「疲れきった暗い人が多い」というものだったそうです。
もともと絵を描きたい人たちは、「自分が描きたい絵」を描くことに楽しみを見出すのは本望であるはずなのに、受験勉強で課題を与えられ、それをこなすことを強いられていたので、このように陰鬱な印象があったのかもしれません。
月日を経ると個々の個性が発揮されてくる
しかし、数カ月を経ると同級生たちの印象も徐々に変化してきたそうです。
世間でいわれているところの進学校から入学してきた、理論的で頭でっかちの人や、暗いと思っていた人たちも、じっくりと話をしてみるとユニークで面白かったりと、月日を経ると個々の個性が発揮されてきて楽しい場となっていったそうです。
これは、一般の大学ではあまり見受けられない傾向なのではないでしょうか。
なぜなら、入試をパスした同じような学力の人々が集う場では、良くも悪くも同じような価値観の人々が集まります。
その点、「一般的な勉強ができる・できない」だけの価値基準では入学ができないこちらの学び舎は、遥か昔から、究極のダイバーシティ(多様性)の場であり、お互いを認め合い、さまざまな価値観を受け入れるインクルージョンの場でもあります。