共同体は「見えないリソース」がなければ成り立たない

笑顔でハキハキ挨拶することは、共同体の維持には絶対に欠かせない見えないリソース(=心理的リソース)を供給する行為に相当する。そのため、本人が考えている以上に「笑顔でハキハキ挨拶する人」の周囲からの好感度が高くなる。逆に「挨拶しない主義」の人は、共同体の見えない心理的リソースをひたすら消費する人間であることを周囲に宣伝してしまっているため、嫌われるし度が過ぎればそのせいで追放されてしまうことすらある。

生産性やパフォーマンスが高いが挨拶せず刺々しい言動でチームの雰囲気を悪くしてしまう人と、生産性やパフォーマンスは劣るが陽気でハキハキ笑顔で挨拶をして周囲を和ませる人なら、私は迷うことなく後者を選ぶ。なぜなら後者の人を採った方が(チームの忠誠心や団結力にプラスの影響がもたらされるため)長い目で見れば目標達成の確率は上がるからだ。

チームワーク
写真=iStock.com/Hiraman
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共同体は、だれかが稼いでくれるからこそみんなが飯を食える。だれかが雰囲気をよくしようと努めてくれるからこそみんなが団結できる。食べ物があるだけでは共同体は維持できない。心が通じ合い、同じ方向を向いているからこそ維持できるのだ。

カネもムードも他人に差し出させようとする態度を隠さない“お客様”的な気質の人は、共同体にとっては単なるリスクになる。「挨拶しない主義」的なスタンスを実践するのは個人の自由だが、そのスタンスは「私はフリーライダーです」と周囲にデカデカと宣伝しているに等しいことは自覚しておいても損はないだろう。

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