科学的に効果証明。マインドフルネスで不安から解放

「頑張っても仕事の成果が出ない」「職場の人間関係がうまくいかない」など悩みは人それぞれだが、不安に支配され眠れなくなってしまう。

「心の中で不安を手放すことが、睡眠改善のカギとなります。そのために最適なのがマインドフルネスです」(川野氏)

初心者でも取り組みやすいのが呼吸瞑想とボディスキャン瞑想だ。呼吸瞑想は椅子や床に座って背筋を伸ばし、鼻や口を出入りする空気の流れに注意を向ける。呼吸によって体が膨らんだりしぼんだりする感覚を意識する。

ただ、やってみるとさまざまな雑念が出てきて、なかなか集中できない。「それはそれで構いません。最初から無の境地にはなれないものです。雑念が出てきたことに気づくことが大事です」(川野氏)。雑念を消そうとするのは逆効果。雑念を感じたうえで呼吸に伴う鼻の感覚や体が膨らむ感覚に戻っていけばいい。雑念と集中の間を何度でも行ったり来たりすればいいという。

「重要なのは、1回での効果を期待しないことです」と川野先生は強く語る。「2〜3カ月以上継続することでだんだんと心が癒やされ、いつの間にか不安を手放すことができるのです」。