フルーツアレルギーに注意

まず食物アレルギーは、原因食品を避けることが基本なので、アレルギー科や内科・小児科などで、早めに原因を特定することが重要である。

その上で、フルーツアレルギー(と疑われるもの)の原因を知るには、その発症が①食べた後なのか、触れた後なのか②即時的なのか、遅発的なのか③毎回なののか、たまになのか、もしくは単発なのか、などの情報が必要である。

2017年に、全国のアレルギー専門医の協力で、食後1時間以内に発症する即時型食物アレルギーに関する実態調査がおこなわれた。

するとフルーツ類は、原因食品として6番目に多かった。

即時型フルーツアレルギーで、最も多いのがキウイフルーツ。2番目がバナナ、以下、モモ、リンゴ、サクランボと続く。

即時型フルーツアレルギーの新規発症は、0歳児はまれだが、1歳以上では徐々に発症者が増える。とくに学童期はフルーツ類が最も多い。一方で、乳幼児の患者の多くは年齢とともに耐性ができる。

フルーツを加熱するとアレルギー症状が緩和することも

以下、主なフルーツアレルギーを列挙する。

①花粉・食物/口腔アレルギー症候群

フルーツに含まれるタンパク質が、花粉に含まれるものと構造が似ているために、花粉症患者(花粉症を自覚していない人も含む)がフルーツを食べることで、アレルギーを発症する(交差反応)ことがある。

近年、病気や虫食いなどへの防御作用として植物が合成するタンパク質の中にも、交差反応性があることが明らかになってきた(とくに果皮に多い)。

症状として多いのは、口や喉の粘膜に出る、イガイガやかゆみ。原因が熱に弱い性質のタンパク質の場合のみ、加熱(スムージーを含む)すれば、症状が出ないか緩和される。

各花粉症に対して報告のある、主なフルーツを図表8にまとめた。