被害額は約277億9000万円にも上る
前澤友作氏になりすました広告がFacebookとInstagram上に大量掲載されるようになったのは2023年春ごろ。前澤氏自身が開設した通報窓口には、広告によって金銭をだまし取られた相談が、提訴の時点で96件も寄せられたという。
警察庁の調べによると、2023年の1年間におけるSNS型投資詐欺の被害額は、約277億9000万円にも上る。同年だけでも、SNS型投資詐欺の認知件数は1月の85件から12月には369件と急増している。
前澤氏は今回の訴訟の狙いについて、「損害賠償請求はあえて1円にしました。彼らの行為が違法なのか合法なのかまずははっきりさせたい」とXに投稿した。
「テイラー・スウィフト裁判」を踏まえたものか
これは、米著名歌手テイラー・スウィフト氏(34)の裁判を想起させる。2013年に、元ラジオDJのデヴィッド・ミューラー氏にお尻を触られたとして、2年後の2015年にセクハラ裁判で提訴し、損害賠償として1ドル(約155円)の支払いを求めた裁判だ。
コロラド州デンバーの連邦地裁の陪審は2017年にスウィフト氏の主張を認め、裁判所は被告のミューラー氏に1ドルの支払いを命じた。この裁判の目的について、テイラー本人はお金のためではなく、世論喚起が目的であったと語っている。