生き方・働き方

「自分で考えることだね」

スズキ会長兼社長 鈴木 修 
1930年生まれ。 中央大学法学部卒。中央相互銀行を経て、58年鈴木自動車工業入社。67年常務、73年専務を経て、78年社長。2000年会長就任。08年から社長兼務。

経営判断で一番大切にしていることは、と問われて。「限られた時間で情報を入手し、自分で考えて自分で判断するしかないんだ。責任はすべて自分で負う」。

「タイ進出の遅れは、私の失敗ランクでは10位。これからもっと大きな失敗をするかもしれない」

最大の失敗はと聞かれて。代表的な失敗にはスペインからの撤退がある。さらには、現在は“離婚係争中”の独フォルクスワーゲンとの資本提携も失敗し、北米の自動車販売事業からも撤退した。中国も思ったほど伸びていない。

「いろいろな失敗をしたから、例えばインドは成功したのだろう。その分集中できたから」と振り返る。そしてしみじみと語る。「思うようにいくってことは、何もないねぇ。まぁ、それが人生と言えば、そうでしょうけどね」。

「僕のユーモアは瞬間的に生まれる。持って生まれたセンスかな」

鈴木修はどんなときもユーモアを忘れない。GMとの提携会見で「スズキはGMに呑み込まれるのでは」の質問に、「呑み込まれないように飛んでいけばいいんだ」と閃き、「GMは鯨、スズキは蚊」と答えたという。今回の同行取材も本音で話してくれて面白いのだが、書けない内容も多い。(※鈴木修会長のタイ出張同行記:http://president.jp/articles/-/8246