スーパーでレシピを検索できる仕組みも
「やさしいお酢」の発売とともに、商品のラベルにQRコード(携帯電話で読みこんでモバイルサイトに誘導する仕組み)を記載する試みにも挑戦した。
「携帯電話でレシピを検索する人が増えています。ユーザーがスーパーで商品を手にとり、何に使えるのかなって思ったときにすぐ検索できる。そんなサイトをつくりたかった」(前田さん)
モバイルサイトのレシピはパソコン用とは異なるものを用意した。
「モバイルだと使う食材が多かったり、長くスクロールするものは嫌われてすぐ閉じられてしまうんです。材料と工程が少なくて10分ほどで手軽につくれるレシピ、1人前から2人前の少人数向けのレシピを掲載しています」(加藤さん)
まさに現代のユーザーのニーズに沿った戦略といえる。ページビューは1年間で4倍近く増え、現在、主要な16品にQRコードを記載するに至っている。(※雑誌掲載当時)
「テレビや料理雑誌、ウェブ……。ユーザーがレシピに触れるコンタクトポイントはどんどん増えています。それに乗り遅れずに、ユーザーとの接点を模索していかなければならない」(前田さん)
接点が見つかれば、そこはユーザーのニーズを汲み取る絶好の機会にもなる。
「酢を使ったメニューが浮かばない。今夜の献立が決まらない。ユーザーの悩みを察知して応えていきたい」(前田さん)
生の声を拾って生かす。媒体が多岐にわたっても戦略の基本は変わらない。