アメリカは「カオスな社会」

現在のIT社会の基盤となる企業は、なぜアメリカ企業ばかりなのか。

少し乱暴で抽象的な言葉ではありますが、その答えは、「アメリカがCHAOSな社会」だからです。

「CHAOS」は「混沌」、対義語は「COSMOS」、つまり「秩序、調和、ハーモニー」。

日本ではCHAOSを好まず、COSMOSに好印象を抱く人が多く、変化が遅くなる。その分、アメリカ企業に後れを取るというわけです。

それゆえ「アメリカ型社会にならなければ国際競争に勝てない」と考える人もいます。「日本の企業は判断が遅い」と批判する人も増えている印象です。

でも、それは本当でしょうか。

変化の弊害も大きくなっている

私はアメリカに暮らしていますので、変化の弊害も見ています。アメリカでは変化に追随して大きく儲ける人とそうでない人の格差が目に見えて広がっています。

ホームレスの段ボール
写真=iStock.com/Jon Rehg
変化の弊害も大きくなっている(※写真はイメージです)

一方、日本ではそこまでの格差は生まれていません。

アメリカ型社会と日本型社会は「対立軸」として捉えられることがありますが、本来、どちらが良い、悪いというものではありません。