一線を守って、素直を貫こう
「素直さ」の重要性を説いてきたが、もちろんなんでもかんでもやればいいというわけではない。取り組むべき内容にも限度がある。
ここで、素直さと同時に持つ必要がある不可欠な資質を紹介しよう。それは、「integrity(インテグリティ)」。「高潔、誠実」などの意味を持つ言葉である。つまり、倫理的規範を最たる価値観として持つべきだということだ。
それでは一体どこまでやるべきなのか。判断基準としては、「他者や社会に対して誠実な態度であるかどうか」つまり「道徳・規範を逸脱していないかどうか」だ。
不正には絶対に手を染めてはならない。上司を含む、周囲からどれだけ強いられたとしても絶対にである。たとえ会社内部では当然のルールだったとしても、社会でそのルールがまかり通るとは限らないし、会社は守ってくれない。
素直であることは極めて重要な資質だが、同時にビジネスパーソンとしてintegrityに逸脱する行為は絶対にしてはならない。具体的には、倫理的に好ましくない話題や、ジェンダーを軽視するような発言は避けよう。
かのピーター・ドラッカー氏も「integrityこそが組織のリーダーやマネジメントを担う人材にとって決定的に重要な資質である」と説いている。リーダー・マネジメント層に限らず、integrityはすべてのビジネスパーソンが持つべき資質である。
このようなintegrityに反することについては、同調しないルールを自らに課しておこう。