普通に生きることすら不可能だと思っていた
ここまで読んできたあなたは、今どんなことを考えているだろうか?
「本を1冊読んだだけで、誰でも経済的自由を得られるなんてありえない」
「ジャチョン(著者)は自分のことを出来が悪かったと言っているが、何か特別なところがあるに決まってる。私とは違うんだ」
「ジャチョンは宝くじに当たったようなものさ。ただ単に運がよかっただけなのに、それをそのまま真似したって意味ないよ」
「まるで夢物語だな。僕は月1千万ウォンじゃなくて、500万でも稼げたらそれでいいや」
その気持ちは本当によくわかる。読書を始める前まで、僕自身もそう考えていたからだ。いや、むしろ普通に生きるということすら不可能だと思っていた。当時、教師である従姉をもっともうらやんでいたことはすでにお話しした通りだ。盆や正月に家族で牛肉を食べるという話を聞くたびにこう思った。
「金持ちっていうのは、別世界にいる人間なんだな。我が家はこんな有り様なのに」
「ソウル市内の大学なんて、恵まれた人が行くところだよ」
「僕が月200万ウォン以上稼ぐ日は永遠に来ないだろう」
本当にそう信じていた。かつての僕のように人生の底辺で苦しんでいる人々は同じような心情だろうと思う。
「キャラ」を先に変えればすんなり変化が起こる
しかし今、僕のキャラクターは完全に変わった。自分の手で変えてきたからだ。20代で読書を始めたことがそのきっかけだ。キャラを先に変えれば、すんなり変化が起こる。逆に、キャラを変える機会を逃すと、順理者として生き続けることになる。僕は本という形で訪れた幸運をぐっとつかんで離さなかった。20歳のときに出会った1冊の本は、敗北主義に染まりきった僕の頭に新たなソフトウェアをインストールしてくれる設置ガイドだった。僕は足元に敷かれた線路を目にして、絶望へと続く電車からついに降りることができたのだ。そして、自分だけのナビを使って人生の近道を探す旅に出た。何もかも、頭の中に新たなソフトをインストールしたおかげだった。
自意識の解体に成功したら、新たな自意識を作らなくてはならない。自発的なキャラ設定は人生のモチベーションを高めてくれる。自動車を走らせるにはガソリンが必要なのと同じように、人間にもキャラ設定という燃料が必要だ。これを自由自在に活用すれば、実に驚くべきことが起こる。僕は最近こんな目標を立てた。「僕はベストセラー作家になるんだ」「韓国で一番偉大で、長く読まれる本を書こう」。