お腹に横線が入っていませんか?

外見を若々しく保ち、健康で長生きするためには、メタボリックシンドロームは大敵となります。その診断基準は、見なければいけない数値が多くて医師の私でもすぐにすべてを思い出すことはできません。しかし、診断基準を覚えておく必要などありません。大事なことは、診断基準に込められた「メッセージ」を読み取ることだからです。

メタボの診断基準には、必須項目として内臓脂肪の蓄積、つまりウエストのサイズがあります。そのうえで、高脂血症と高血糖、高血圧の項目のうち2項目以上が基準を上回る場合、メタボと診断されます。ここに込められたメッセージとは、「ウエストが太い」ならば、「食べすぎ」だということ。同様に「高脂血症」は「脂の摂りすぎ」、「高血糖」は「糖の摂りすぎ」、「高血圧」は「塩の摂りすぎ」だということです。

このメッセージを理解することは、診断基準の数字をいちいち覚えて自分の検査値と比べて一喜一憂することよりもはるかに重要なことです。

そのうえでするべきことは、まず精製食品を食べるのを控えることです。精製食品とは、お米なら白米、パンや麺ならば精製された白い小麦粉を使ったもののことです。これらは精製する過程で胚芽など栄養素を多く含んだ部分を取り除いてしまうので、単なる栄養素の低い糖質にすぎないからです。よって、体形を維持したいと思ったら、白米やパン、麺類を控えること。

ご飯を食べたければ、白米ではなく玄米にしましょう。玄米は一粒の中にあらゆる栄養素が入っていますから、完全栄養食です。同様にパンを食べるならば、全粒粉のパンを薦めます。私は外来で患者さんに呪文のように「白米、パン、麺をやめておやつにナッツかチーズ」と繰り返しています。ナッツとチーズはタンパク質が豊富で低糖質なので、それだけで3~4カ月で3~4キログラムは痩せる人がたくさんいます。

そして、野菜は毎日サラダボウルいっぱいに食べましょう。私はほうれん草をちぎってたまねぎをスライスして、しゃぶしゃぶ用のごまだれをかけて揉み込んで食べています。こうすると野菜がしぼんで小さくなって、たくさん食べられるのです。ここに海藻も入れたらミネラルも豊富に摂れてさらにいいですね。

体型を若返らせる4つの食生活