週末の過ごし方は「リラックス・リフレッシュに尽きる」との答えが口々に返ってきた。その中で唯一、JTB法人東京の久保田さんは「自己投資のつもりで」、土曜の午後をビジネススクールでの勉強にあてている。
「10年度の前半は、木曜夜に大学でマーケティングを教えていたのですが、もとはといえば自分が生徒としてビジネススクールに通っているときに、『君の話は面白いからぜひそれを後輩に伝えてほしい』と言われて始めたもの。生徒として通うだけでも得るものはありますが、それがきっかけで事業開発に関する学生の生の声を聞くことができ、予想以上の効果がありました」
土曜日を勉強に費やしつつも、平日夜は早く帰宅することがほとんどないため、「週末は家族との時間を大切にする」と決めている久保田さん。小5の一人娘が通うゴルフスクールに同行し、ときには一緒にコースを回ることもある。「娘に負けちゃうこともあるんです(笑)」と、語りながらも、顔をほころばせる。
このように充実した休日を過ごした後は、一足早く日曜の夜に仕事モードに切り替えるのも、月曜朝の滑り出しをよくするのに役立つ。三井物産の中村さんは「日曜の夜には、明日からの1週間に予定されているミーティングの内容をざっと思い浮かべるのが習慣」だという。
「そうすればおのずとミーティングに向けて何をすればよいかが決まり、1週間のイメージが浮かびます。ToDoリストとして書き出すのは月曜日の朝に行うことが多いのですが、重要な項目はいつでも思いついたときに書き留めるようにしているので、日頃からペンは手近な場所に置いてありますね」
中村さんのようにスケジュール確認を通して翌月曜からの1週間に備える人もいれば、森ビルでビルのテナント営業を担当する伴晃一さんのように、身の回りを整えることで士気を上げる人もいる。
「都内を中心としたテナント営業を担当していますが、営業マンは第一印象も大切なので、日曜の夜に爪を切って靴を磨き、手帳の使い終わった週のページの角を切り取ります。これらはどれも一種の儀式ですよね。一通り済ませることで、明日から新しい1週間が始まるという高揚感が持てる。月曜の朝からフレッシュな気分で人に会えるんです」
久保田達之助
JTB法人東京 事業開発部 事業開発部長
1989年、明治大学政治経済学部卒業後、JTB入社。虎ノ門支店、コミュニケーション事業部を経て、2010年から現職。化粧品メーカーと共同開発した、旅行用の殺菌ジェル「いつでもどこでもハンドジェル」などがヒット。
中村浩美
三井物産 エネルギー第二本部環境事業部 排出権プロジェクト室 マネージャー
1993年、上智大学卒業後、神戸製鋼所入社。その後アジア経済研究所・開発スクールを経て04年オックスフォード大学大学院修士課程入学。修了後、世界銀行を経て、07年、三井物産入社(嘱託)、09年より現職(正社員)。
伴 晃一
森ビル 営業本部 オフィス事業部 オフィス営業2部 プロジェクト 営業グループ
1981年、埼玉県生まれ。2003年早稲田大学商学部卒業後、森ビル入社。プロパティマネージメント部を経て、06年より現職。「火曜夜と金曜昼に会社で英会話のレッスンがあり、その時間は使えないものとして逆算して行動します」。