健康食品で体調に異変があれば受診を

結局のところ、健康食品やサプリメントにもリスクはあり、万人におすすめできるものはありません。バランスのよい食事を摂っていれば特定の栄養素が不足することはなく、通常はサプリメントを摂取する必要はないのです。

例外は、妊娠初期の女性における葉酸、ベジタリアンにおけるビタミンB12といった特殊な状況に限られます。貧血や骨粗鬆症などがあれば病院を受診し、どのような成分が入っていて、どのような副作用が生じえるのかよくわかっている医薬品を摂取してください。持病がなく健康の維持・増進を目指すなら、健康食品やサプリメントを摂取するのではなく、バランスのよい食事や適度な運動といった生活習慣の改善をおすすめします。

そうはいっても生活習慣の改善は難しく、健康食品やサプリメントに頼りたい方もいらっしゃるかもしれません。リスクはあっても小さいので試してみてもかまわないでしょう。ただ、健康被害が起こる可能性があることを理解した上で、倦怠感やむくみといった異常を感じたら、すぐに摂取を中止して医師に相談してください。その場合は製品の外箱などを持参していただければ診療の参考になります。

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