「自分さえ富めばいい」という国の末路
ところがこれを真顔で言う人は少ない。
政治家も、学者も、企業家も、投資家も、労働者も、芸能人も、スポーツ選手も、先生も、医師も、そして僧侶さえも、エネルギー資源や、金銀、通貨、株式などを「宝」だと考えている。
もちろん、それも大切な宝だ。けれども、だからといってそれらを少しでも得ようと、自分だけが得ようと躍起になってきて、今どうなったかと言えばその末路が今日の「円弱」だ。
資材も食糧も、外に頼り、お家芸であったものづくりも外に出してしまい、ついには「人」さえも外へ出ていき、さらには「希望」や「自信」すら失っている。
「円弱」日本にとって今必要なことは、各々が「宝」であることに気づき、その宝を磨き育むこと。つまり慈悲心と智慧と仏性を育むことだ。
「一隅を照らす」人と企業が未来を創る
「大きな権力や財力を持った人が大きなことをやらないと、『円弱』は変わらない」そう考えているならば、それは違う。
「一隅を照らそう」と自ら努力行動する人。
「一隅を照らそう」と自ら創意工夫を凝らす企業。
それこそが日本の明るい未来を創っていくことを知ってほしい。
私たちの国にはそうやって、困難に耐え、危機を乗り越えてきた先人と長寿企業の歴史があるのだから。