良い人間関係は脳も守る

ある年のTEDトークで有名になったハーバード大学の研究成果として、次のような内容が明らかになっています。

人を幸福にし、健康にするのは何よりも良い人間関係であり、その人間関係について大きな教訓が三つある――。
1 家族、友人、コミュニティなど、周囲とつながりを持っている人は、そうでない人よりも幸せで健康で長生きする。
2 身近な人たちとの人間関係の質が重要である。
3 良い人間関係は、その人の脳も守る。
集まって歓談する高齢者グループ
写真=iStock.com/imtmphoto
※写真はイメージです

ハピネスと免疫力については、他にもさまざまな研究成果が見られます。

早野元詞『エイジング革命 250歳まで人が生きる日』(朝日新書)
早野元詞『エイジング革命 250歳まで人が生きる日』(朝日新書)

ハピネスを感じている人ほど、免疫力が高い。

だから感染症に罹りにくいし、がんにもなりにくい。

卵が先か、鶏が先かのような話になりますが、多くの人と交わりながら機嫌良く過ごすことが精神に幸せをもたらしてくれる。これが免疫力を高め、致命的疾患を遠ざけてくれる。するとますます他人との交流も深まり、身体機能の低下も避けられる。

こうして良い人間関係が、健康寿命を延ばしてくれるのです。まさしくこれも、ヒトの健康寿命の8割超を決めてしまう後天的な影響の一つに他なりません。

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