もし事故を起こしたら人生が終わる
モペッドに乗っていて歩行者を轢いたとする。その人が不幸にして亡くなったとする。
事情がどうであれ、ほぼすべての事故の賠償責任はモペッド側に課される。
なぜなら「無免許」で「無登録(ナンバーなし)」で「保安部品なし(整備不良)」で「ノーヘル」という、その違法だらけ状態で事故を起こしたのはモペッド側だから。
自賠責も任意保険も入っていないから(ナンバーを取っていないというのはそういうことだ)損害賠償は重くのしかかる。たとえ自己破産しても、免責にはならない。
数千万円、いや1億円を超えるかもしれない損害賠償は、ずーっと加害者本人が払い続けることになるのだ。
いいですか、モペッドに乗っている若者諸君。そのモペッドで事故を起こしたら、それ一発で本気で人生が終わる。それを分かって乗っているのだろうか。たぶん分かってないよね。
「自転車として乗れる」と売る業者も大問題
こういう「ペダル付きの違法フル電動自転車=電動モペッド」を、ユーザーはどこで買うのか。もちろんネットで買う。
で、ネットにはどう記載されているか。ウェブサイトを見ると「本品は原付バイクです。免許を持って、ナンバープレートを付けて走ってください」などとある。
いちおう「原付として」売っているのだ。だが、ユーザーのほとんどは自転車として乗る。そしてメーカー側も心のどこかで「そうして手軽に乗ってくれ」と思っている。
先日、自転車の展示会で650Wのハイパワーが売りのオートバイっぽいモデルを見かけた。
「ネットで検索したらすぐ出てくるね。バイクみたいでカッコいいね。でも自転車として乗れるね。いま大人気ね」と、若い女性が中国語なまりで説明してくれた。筆者としてはため息しか出ない。