交通違反を犯す車両を探す警察官

毎年4月と9月に「全国交通安全運動」が実施される。今春は4月6日(土)~15日(月)の10日間だ。運動の期間中、街頭の警察官が明らかに増え、違反切符を切るシーンを、普段より多く見かけるようになる。

白バイ隊員
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事故防止のために交通取り締まりは行われる、厳しい取り締まりで事故は減る、なんとなくそう認識されているようだ。しかし、果たして本当なのか、警察の交通取り締まりに意義はあるのか、ちょっと考えてみたい。

私は裁判傍聴マニアでもある。事件数で約1万1000件を傍聴してきた。うち1150件ほどが交通事故の刑事裁判だ。事故はなぜ起こるのか、大きく2つのタイプに分かれるように思う。

違法駐車、飲酒運転の車をパトカーが追跡

(1)事故って当然なムチャクチャ野郎たち

ルールなど全く気にしない。結果、何が起こるか、罪もない他者にどんな被害をもたらすか、想像する能力がない。そういう者が、世の中には確かに存在する。飛び抜けてひどいケースを1件だけ紹介しよう。

罪名は「道路交通法違反、危険運転致死傷、詐欺」。被告人(以下、A男。犯行時20歳)は、前月に60万円で知人から買った乗用車(アウディ)に弟と後輩を乗せ、居酒屋へ出かけた。店の前に違法駐車して飲酒。深夜になり、3人で車に戻って走り出した。すぐにパトカーが寄ってきた。A男はアクセルを踏み込んだ。