リーマンショックで暴落した株の上値はいまだ重く、「株式投資はリスクが高い」と敬遠してきた人もいるだろう。だが、今後は、自分たちが働いて稼いだ利益が給与に反映されないなら、株主になって取り戻すといった発想も必要だ。先行きが不透明な時代には、万が一に備え、何らかの方法で定期的なインカムを得るしくみをつくる必要もある。その一つとして、高配当株を持つことが考えられる。そうでもしなければ家計の防衛は難しい。これからは、株を持つことではなく、持たないことがリスクになるかもしれない。
とはいえ、配当を出さない企業もある。持つなら、配当利回りが5%前後あるものが望ましい。配当利回りが高い株は、株価が下がると買いたがる投資家が出てくるため、大きく下げにくい傾向があるからだ。業種的には、食品や製薬など不況に強いところや、電鉄や通信など日銭商売をしている社会インフラ系がいいだろう。業績も財務状況もいいことは大前提で、できれば毎年少しずつ増配していることが望ましい。過去の配当金額の履歴をチェックし、大きく変動していないことも大切だ。
実際に投資する際は、株価が割高か割安かを示す指標であるPER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)が、TOPIXの平均値より低いときに仕込みたい。なお、配当利回りが突出して高い銘柄には手を出してはいけない。何らかの理由で売られた結果、利回りが高くなっただけかもしれないからだ。
(構成=大山弘子)