日経平均は5000円を割ってもおかしくなかった

一時は日経平均株価で7000円近辺まで下落した株式市場が落ち着き、そろそろ「買い」を入れたいと考えている人も多いだろう。これから株式相場は上がるのか? それともまた下がるのだろうか?

まず、「日経平均は、本当なら5000円を割っていてもおかしくなかった」ということを認識しておく必要がある。現在の相場は、世界中の国々が総出で金融緩和と景気刺激策を講じたことによる「つくられた相場」だ。米国に至っては、史上初のゼロ金利政策を行ったり、銀行間取引に対して政府保証を付けるなど、通常では考えられない政策を打ってようやく株価が下げ止まった。

今後も、見通しは必ずしも明るくはない。米国は、かつて日本が経験したように大量の不良債権を抱えており、その処理が完了しない限り、株価が右肩上がりに上がり続けることは考えにくい。米金融機関は会計操作で負債額を甘く見積もっている節もあり、不良債権を処理し終えるのは当分先のことだろう。

そうなると、何かの拍子にドルに対する信頼が揺らげば、相場が再び急落する可能性はゼロではない。しかし、その可能性は低い。それは、政府とマーケットの間に、「マーケットが混乱すれば、政府が株価を下支えしてくれる」という阿吽の呼吸ができてしまったから。

以上の状況を考えると、現状は、中長期的な下落相場の中での反転(ベアマーケットラリー)レベルであり、今後しばらくは、急落することもないが、本格的な相場上昇もないだろう。

では、以上のような相場環境を前提に、個人はどのように株式投資をすればいいのだろうか。個人投資家には2つのパターンがある。「資産を減らさずに年率数%で運用できれば十分だ」という「草食系」と、「リスクを取ってでも大きく儲けたい」という「肉食系」だ。

自分が「草食系」だと思うなら、相場全体がブルトレンド(強気相場)に入ってから買うのが安全。それを見極めるポイントは、200日移動平均線などの長期のトレンドラインが上向きに転じ始めたかどうかだ。それから、一時的に安くなった局面で買っても遅くはない。

ただ、200日移動平均線が上向きになるまでは、まだ時間がかかると心得ておこう。200営業日前といえば、日経平均が1万4000円程度あった頃。2009年5月の連休明けは、そのずっと下の9400円付近で売り叩かれて、それ以上、上にいけなかったので、当面は9400円が節目となるが、仮にこれを抜けたとしても、200日移動平均線を越えない限り、一時的な上昇になるだろう。