仕事や人生で疲れない人は、どんな習慣があるか。心理学者の内藤誼人さんは「ちょっぴり心が苦しいなと感じたときには、メールやSNSを見る機会を減らすことも考えてみるといい。やりとりの回数を制限するだけで、心が晴れやかになる。ある実験でメールチェックを1日3回までに制限したグループでは、毎日のストレスが減り、ポジティブな気分を感じられるようになり、睡眠の質も向上し、仕事もたくさんこなせるようになった」という――。(第7回/全8回)
※本稿は、内藤誼人『イライラ・不安・ストレスがおどろくほど軽くなる本』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。
運動を習慣にするための仕掛けをつくる
福岡にある西鉄福岡(天神)駅には、非常におもしろい階段がありました。なんと、階段がピアノの鍵盤になっていて、踏む箇所によって音が変わるのです。
こういうおもしろい階段なら、運動するのが面倒くさい人でも、「今日は、階段を使ってみようかな」という気持ちになるのではないでしょうか。
肥満にならず、ストレスを感じにくい体質になりたいなら、運動をすればいいのですが、身体を動かすのは基本的に面倒くさいので、やりたくないという人も多いですよね。運動をするには、おもしろさや楽しさを感じられる仕掛けがなければ、長続きしないのです。
米国疾病管理予防センターのロビン・ソラーは、エレベータやエスカレータの横の階段に絵を描いたり、芸術作品を置いたり、音楽を流したりすることで、階段の利用者が増やせるのかどうかを検証した16の論文を総合的に分析してみました。
その結果、おもしろい工夫がなされているほど、エレベータでなく、階段の利用者が増えることがわかりました。おもしろい仕掛けがあるのなら、私たちは面倒くさがらずに階段を利用するのです。
これから運動をしようと思うのなら、運動するきっかけとなるような「仕掛け」をまず考えなければなりません。ただ苦しいだけでは、人は運動習慣を身につけることができませんからね。