それでも日本が果たすべき役割
そもそも2024年のアメリカからの軍事支援の有無や規模によって、戦局は大きく左右される。すでにアメリカの国内政治は、トランプ再選の可能性が高い、という見込みで動き始めている。トランプ氏の大統領就任を待たず、ウクライナが相当に追い込まれてしまっている恐れもかなりある。
日本の外交当局者は、そうした事態が発生してもなお、これまでの日本からのウクライナ支援が無駄にならないように、「平和の保証」の一端を担い、地域の安定化のために果たせる努力は果たしていくべきだろう。その際には、アメリカを「国際社会の法の支配」を尊重する「国際秩序」を維持する努力をする諸国の中につなぎ留めておく外交努力を行っていかなければならない。
トランプ氏とゼレンスキー大統領が蜜月関係を築くことは想像しにくいが、次のウクライナ大統領とトランプ氏との関係は、全く別の話になる。トランプ第2期政権の誕生の可能性が日増しに高まる中、さまざまな可能性に対応していく頭の体操をしておくことが必要である。