いまや20代社員のほとんどが「Z世代」。育った環境がまったく異なるベテラン・中堅社員の悩みは尽きない。新著『「人間関係」は性格と相性が9割』が話題のディグラム・ラボ代表の木原誠太郎さんは「デジタルネーティブであるこの世代は、以前の世代とはコミュニケーションの取り方が大きく変わっている点を理解することが重要」という──。(第1回/全4回)

恋人はSNSで作り、友人の本名を知らないことも…

1990年代後半から2000年代前半に生まれた、いわゆる「Z世代」は、初めからインターネットが広く普及した環境下で育っています。

子どものころからタブレットでゲームをしたり、動画を見たりする生活が当たり前。学生時代からスマホを持ち、LINEやInstagramなど、SNSを通じて日常的にコミュニケーションを取り、SNSや出会い系アプリで友人や恋人を作るのも普通のことです。

ですから、恋愛の告白もLINE、別れ話もLINE。いつも一緒に遊んでいる友人でも、本名を知らなかったりします。

談笑する若者
写真=iStock.com/SeventyFour
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コロナ禍の強い影響

さらに、コミュニケーションスキルを構築する大切な時期である学生時代や新社会人時代とコロナ禍が重なったことも、彼ら世代のコミュニケーションスキルに強い影響を与えています。

学生時代、あるいは社会に出てすぐのタイミングに、リアルな対面でのコミュニケーションの機会はごく限られました。できたとしても画面越しやマスク越し。相手の本当の表情がわからず、コミュニケーションがしづらい状況下で過ごしてきたのです。

アフターコロナの今、対面の機会が増えるとともに、社会人としての対人コミュニケーションに正直、戸惑っている人が多いというのがこの世代の特徴です。