子供に進路の相談をされたとき、どう答えるのが正解なのか。石川県の進学塾「東大セミナー」講師の川本雄介さんは「第一志望のランクを下げたいと言われても、親は自分の考えを伝えてはいけない。子供に寄り添い、どうすればいいか本人に考えさせることが大切だ」という――。

※本稿は、川本雄介、企画・西岡壱誠『ドラゴン桜で学ぶ伸びる子供の育て方』(星海社新書)の一部を再編集したものです。

勉強している学生
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親は答えを教えてはいけない

「コミュニケーションのラリーが多い家庭」は子供の成績と相関するという話と併せてお伝えしたいのが「親が答えを教えないこと」も心がけた方がいい、という点です。

「親が子供と接する時に、情報の上流の部分まで考えられるようにすると学びが伸びやすい」という話をしましたが、これは「親が上流まで教えなければならない」ということではありません。むしろ、「親自身が答えをわかってなくてもいい」のです。

頭が良い子の親というと、イメージとしては「頭が良くて博識な親」をイメージすると思います。なんでも親が勉強を教えて、塾なんていらないくらいに教えるのが上手、というイメージを持っている人が多いと思うのですが、私から言わせていただくとそれは間違いです。

たしかに親と子供の学力に一定の相関関係はあるとは思いますが、それがすべてでは全くありません。親がバリバリの理系なのに文系の才能のある子や、親が高学歴ではないのに素晴らしい学力を持っている子など、親の学力と相関がない子も少なくありません。

逆に、親の学力が高いのに、子供の学力がなかなか伸びないという家庭もあります。というか、親の学力が高い家であればあるほど、「子供の学力が伸び悩む、やってはいけないこと」をしている場合があります。