最近の子供に見る“危険な傾向”

このように、オウム返しで相手の言うことを繰り返す方が、子供にとってはプラスになるのです。親が答えを教えてあげる関係ではなく、子供が答えを出すのを手伝う役割として親がいるという関係が理想的と言えます。

最近、子供たちの面談や面接対策の際に「良い子」が増えてきている印象があります。「こうしたらいいよ」「こうするとうまくいくよ」というアドバイスに対して、みんな「はい、そうします!」という返事をするのです。

これ、実は私としてはすごく違和感があります。もっと、「でも、ここは自分に合わないと思います」「ここ、納得できないです」と言ってほしいんですよね。

川本雄介、企画・西岡壱誠『ドラゴン桜で学ぶ伸びる子供の育て方』(星海社新書)
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しかし最近の子は、「先生はこう答えてもらいたいだろうな」という、コミュニケーションにおける「正解」を予測して、その通りに会話する癖がついているんです。

「正解」を求めるばかりで、自分で答えを出す習慣がないのです。こういうタイプが増えていくことを私はとても危惧しています。

ですから、親御さんや教育者の方は、子供が「正解」を求めていないかを注意深く観察してみてください。そして「正解」を求める傾向があるのであれば、それをきちんと指摘するのです。

「正解を出す必要はないよ」「こちらの機嫌を取る必要はないから、もっと君の本当の気持ちを教えてよ」と言ってあげてください。

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