米ドル建ての債券というとハイ・イールド債(低格付け社債)を思い浮かべる人もいるだろう。ハイ・イールド債は、一般の債券に比べて相対的に高い金利が魅力だが、景気後退局面では、発行体の信用リスク低下とデフォルト率の上昇から一般的な債券よりも価格が大幅に下落する傾向が強くなるので気をつけたい。
外債ファンドには、毎月分配型のものも多いが、その場合、毎月支払われる分配金をきちんと管理、運用することが大切だ。また、高分配のファンドのなかには、債券から得られる収益を上回る分配金を支払っているケースも見受けられる。購入する際は、運用報告書の「収益分配金の内訳」をチェックし、「当期の収益以外」の金額が「当期の収益」を大幅に上回っていたり、「翌期繰越分配対象額」が期ごとに減少している場合は、分配金がファンドの資産を食いつぶしている可能性が高いので、避けたほうがいいだろう。
ちなみに人気の「通貨選択型ファンド」にも為替ヘッジが活用されている。ただし、この場合は、投資対象資産の通貨(主に米ドル)より短期金利の高い通貨を選ぶことで、2通貨の金利差を得ることを目的としている。加えて日本円と選択通貨との為替変動による収益も狙う。つまり、為替リスクを回避する目的でヘッジをするわけではないことを理解しておきたい。