世界の中でも夜が明るい日本の照明事情

50代が睡眠環境を変えて一番効果を感じやすいのは「光環境の改善」です。

日本は世界でもダントツに夜が明るい国です。

分かりやすい例で言いますと、駅や街路などの明るさは、欧米と比べて40%以上明るいという研究報告もあります。コンビニやスーパーの店内の明るさの基準も欧米に比べて高いです(欧米人はひとみのメラニン色素が少なく、光に弱いという理由もありますが)。

さらに日本の家の中の照明の基準(最低500ルクス)も、光が強すぎて睡眠に悪影響を与えます。寝る1時間前に500ルクスの照明を浴びていると、睡眠ホルモンのメラトニンが40%近く低減してしまうという報告もあります。

家の外も中も光の明るさが強いので、効果が出やすいのは当然かもしれません。人間は光によって目覚め、光が減ることで眠くなりますので。

さらに日本は海外の電球文化(1960年代から主流)と違い、蛍光灯文化(1970年代から主流)がベースとなっているため、照明の色は白色系がいまだに主流です。

電球色(暖色系)に比べて蛍光灯(白色系)は、メラトニン分泌が低下することが分かっているので、日本では照明を工夫することが、快眠への最も有効な近道となるのです。

寝る1時間前は「少し暗い」部屋でちょうどよい

まずお手軽に照明でできることは、天井照明を寝る1時間前に少し明るさを落とすことです。最近の照明のほとんどが、多段階で明るさ調整できるタイプが多いので、目安としては「少し暗いかな」と感じるぐらいをおすすめします。

最初は暗く感じますが、多くの人は寝る前に複雑な作業はしないので、問題はありません。もし本を読んだり、勉強をする場合はデスクライトを活用してください。

ECサイトなどで検索すれば、1000円ちょっとで買える商品がいくつも出ていますので、お手軽に導入できます。

目にも睡眠にも優しいうえ、集中できますので、一石三鳥です。

また少し手間はかかりますが、蛍光灯を白色系から暖色系に変える方法もあります。

ただし、このやり方だと夕方以降のリラックスや睡眠の質を上げるのには有効ですが、日中の作業の集中力が落ちたり、違和感を持ったりする場合があります。

寝室だけならおすすめですが、仕事や勉強もする部屋であれば、次の「本気コース」で出てくる「照明自体を変える方法」をおすすめします。