「フランチャイズ」は「フランク人」にルーツ
ゲルマン人による支配が続くフランスの言語がゲルマン系ではなくラテン系であるのは、ライン川より西のガリア地域は元々、ローマ帝国の領内にあったからである。
支配層であるゲルマン人の人口は少なく、ほとんどの人たちがラテン語の口語である古フランスを使っていたのだ。
フランク人が自由民であったことから、小文字でfrankと表記すれば「率直な」となる。
「フランチャイズ(franchise)」とは会社が個人や他の会社に与える「自由に販売する権利」や「自由に営業する権利」のことで、franchiseは「自由にさせる」が原義だ。
固有名詞のFrancis(フランシス)は「自由で高貴な」、Franklinは「槍を持つ人」や「自由民」、米国西海岸のサンフランシスコ(San Francisco)はキリスト教のフランシスコ修道会創始者「聖フランシスコ」の名前に由来する地名である。
「フランクフルト」の語源は「浅瀬」
ライン川の支流であるマイン川の北岸にあるドイツの国際都市「フランクフルト(Frankfurt)」はフランク人に由来する。
カール大帝の頃、隣国アレマン族との戦争の際にザクセンを追われたフランク人がマイン川に行き当たり、行く手を塞がれ窮地に陥っていた。
その時、1頭の鹿が川を渡っているのを見て、浅瀬があることを知り、そこを渡って難を逃れたという伝説に由来する地名である。
つまり、Frankfurtの語源は「フランク人が渡る浅瀬(furt)」だ。
現在でもドイツ語では、フランスのことを「フランク帝国」という意味の「フランクライヒ(Frankreich)」と呼ぶのに対して、フランス語ではドイツを指して「アレマン族の国」から「アルマーニュ(Allemagne)」と言うのが興味深い。