部下に7割話させた方が時短になる
一流は、相手に話す主導権を与えます。会話の7割は、部下や後輩に譲るのです。相手が話している間は、高い集中力で相手の言葉をしっかりとキャッチし、短い質問や確認で会話を深めていきます。このプロセスを通じて、リーダーはメンバーや後輩が持つ問題意識や思考パターン、そして感情まで理解することができます。
特筆すべきことは、相手に7割話をさせた方が、時短につながるということです。部下や後輩自身が自分で考え、自分で話すことで、内省を促し課題が明らかになります。そしてその課題に対する解決策も、部下や後輩が自ら考え実行することが多くなるのです。こうして自律型メンバーが増えていけば、自走するチームとなります。
詳細な指示や細かいチェックを行わなくても、メンバーたちが自発的に行動実験を繰り返し、成功に近づいていくため、管理負荷が減るのです。その結果、リーダーは具体的な行動計画を練る時間を大幅に短縮できます。この方法は、1on1だけでなく、普段の会話でももちろん有効です。相手に話をしてもらうことで、部下や後輩の成長、組織の効率向上、そして上司・リーダー自身の管理能力を高めることができます。
自分で考え自分で行動するチームを作れば管理負荷が減る
「最近どう?」と聞くのはNG
気軽なコミュニケーションにおいても、言葉選び一つで、部下や後輩のモチベーションは変わります。ただ、部下や後輩のモチベーションを上げるのは容易ではありません。よかれと思ってかけた言葉でガッカリさせてしまうこともあります。
また、パワハラと言われないように、上司側が気を遣いすぎて会話が減ることもあります。どうしたら、双方が気持ちよくなるコミュニケーションを取ることができるのでしょうか。
「最近どう?」、この言葉は日常的に多く使われる一方で、実は効率の悪い声かけであることが1.9万人の調査結果で明らかになりました。この声かけで、部下のモチベーションが下がってしまうのです。また、これだけでは部下や後輩の具体的な状態はまったく分かりません。例えば、プロジェクトが破綻寸前であるとしたら、この質問に対する答えは改善にはつながらないでしょう。
相手の体調に気遣って「調子はどう?」と声をかけることは多いでしょう。部下や後輩が、自分の状態について考えるきっかけを与えられるかもしれません。しかし、まだまだ表面的な情報しか得られない可能性が高いです。